間もなく、2024年度の富山本科開催である。「八卦掌を語る」もあと少しである。 八卦掌は、螺旋の拳法ではない。メディアでそのように発表されたりして、そう考える人間が一層増えた。それは近代格闘術化した、力と力がぶつかるその他大勢の拳法の一つとなった、近代格闘術八卦掌の話である。 本来の八卦掌は、「勢(せい)」の拳法なのである。これは間違いない。本来の八卦掌が想定した戦いでは、「勢(せい)」がなければ成り立たなかったからだ。 何度も言う。八卦掌は、「清王朝宮中内で、女官や宦官(かんがん※去勢された男性官吏)でも、王族や寵姫らを護衛できる武術」と認められ広まった武術である。一定時間、我が身を護身して囮(おとり)となって、要人を守った悲壮な護衛武術だったのである。 屈強な男性の、力任せの攻撃を、弱者たる女官や宦官がやり過ごすためには、接近戦は最も避けるべき戦い方だった。徹底的に移動し続け、敵と間合いをとりつづけながら攻防する必要があった。 近代格闘術八卦掌は、一見すると流麗華麗な変則攻撃をしているため、女性でも「使えそう」に見えるが、そんなことはない。私は近代格闘術八卦掌の梁振圃伝八卦掌門で指導許可を得た立場であるため、よくわかる。 「この戦い方で、対強者は難しい。この戦い方で、対多人数戦はできないぞ」と感じていた。そして、昔日の、八卦掌が「転掌」と呼ばれていた頃の成立当時のままの八卦掌(以後「清朝末式八卦掌」と呼ぶ)に気づき、会得するまで、人と対峙することに全く自信がなかったのだ。 螺旋功などで力任せの攻撃を、実戦の連打の中で実行することができるだろうか?膨大な対人練習の果てに、打ち合いはできるかもしれない。しかし打ち合っては、女性や子供、老人や体格の小さい男性は、ねじふせられてしまう。 勢を保ち、敵から離れつつ去り打ちをするなら、力任せであっても押し切られることはない。ナイフで突進して来ても、後退スライドして離れるならば、手でさばくなどいいう絶望的な戦い方をしなくてもよい。そして・・・勢を保って移動しつづけ、時に、その勢を利用して敵に電撃攻撃を仕掛けるなら、敵は油断できず、要人に手を出すことができない。 勢があるから、これらの結果を得ることができる。勢が無かったら、これらの要素は、皆立ち消えである。 「翻身旋理」・「刀裏背走理」・対敵イメージ走圏・基本姿勢の習得などは皆、移動時の「勢(せい)を確保する」ための練習法なのである。勢を利用して離れつつ、頃合いを見て全力で勝負をかける(電撃奇襲する・離脱するetc)超現実的護身武術なのである。 国内で、「勢」を第一として教える八卦道場は一切ない。八卦掌で本当に戦うつもりなら、そして、護身を真剣に考えるなら、水式門戸を叩け。 北陸富山本科|http://nenkinkouza.com/baguazhang-class-toyama/index.html 北陸富山本科申込みぺージ|https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScbvl4IP1QozOJV783DSodPpIJYzFrEpS9-BhVah5cIxiTjAw/viewform 清朝末式八卦掌の発勁(発力)解説ぺージ|http://nenkinkouza.com/training/yuugekisen-haturyoku.html 最低限の時間で仕上げる「清朝末式八卦掌」女性護身術|http://nenkinkouza.com/defense/woman-defense.html 遠隔地生部「護身術通信講座科」|http://nenkinkouza.com/tuushinkouza/tuushin-defense.html
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