裏表紙カバーに1cm程度の破れ、3cm程度の折れがあります。(写真③) 小口部分に日焼けがあります。(写真④) 50年以上前の発刊です。全体的にくすみがあります。(写真⑤) 『死刑台のメロディ』 ハワード・ファスト:著 藤川健夫:訳 角川文庫 昭和47年 4版 縦:15cm 横:10.5cm 厚さ:1.2cm 「あとがき」より 『死刑台のメロディ ―サッコとヴァンゼッティの受難―』はアメリカで起こった怖ろしいデッチ上げ事件として世界的に大きな反響を起こしたサッコ・ヴァンゼッティ事件を材料にして、現在アメリカ文壇で活躍している進歩的な作家の一人で、本書が書かれた一九五三年度のスターリン国際平和賞の受賞者であるハワード・ファストが小説化した彼の代表的な傑作の一つです。 事件は、一九二〇年、ボストン近くのサウス・ブレイントリーの町で、工場従業員の給料全額が強奪され、会計係一名と従業員一名が殺害されたが、その犯人の容疑者としてサッコとヴァンゼッティが逮捕されたことに始まります。 サッコは靴工、ヴァンゼッティは魚行商人で、どちらも普通の労働者でしたが、ただし、イタリア系の移民で無政府主義者、平和主義者でした。七年間の裁判の進行中、被告に有利な客観的証拠が提出され、二人は無実だということが明らかになっていたので、国内はもとより、広く海外でも抗議の世論が高まり、アインシュタイン、ショー、ゴーリキー、ロマン・ロラン、アナトール・フランス、バルビュスなど世界の著名な文化人や無数の勤労大衆から、嵐のような抗議や請願が行われました。だが、それにもかかわらず、結局二人は死刑を宣告されて、電気椅子にかけられたのです。彼らが虐殺されたのは、なぜか? それは本書を通読されれば、おわかりになるでしょうが、ひと口にいえば、彼らが無政府主義のイタリア人であったために、アメリカの赤恐怖症の犠牲になったのです。つまり彼らは思想的、階級的差別と人種的、民族的差別のために殺されたのだと言えるでしょう。ここに、この事件が時代と国境を越えた重要性があり、またこの小説が書かれた重大な意義もあるのだと思います。 ※複数の購入を検討いただける場合、配送料が変わる可能性がございます。お気軽にお問い合わせください。
『死刑台のメロディ』ハワード・ファスト 角川文庫... 高知 中古あげます・譲りますを見ている人は、こちらの記事も見ています。