カバーに折れ・擦れがあります。(写真③) 50年以上前の発刊です。全体的にくすみがあります。 『潮騒』 三島由紀夫:著 新潮文庫 昭和48年 52刷 縦:15cm 横:10.5cm 厚さ:0.8cm フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より 『潮騒』は、三島由紀夫の10作目の長編小説。中編小説とみなされることもある。三島の代表作の一つで、何度も映画化されるなど一般的にも人気の高い作品である。三重県鳥羽市に属する歌島(現在の神島の古名)を舞台に、若く純朴な恋人同士の漁夫と海女が、いくつもの障害や困難を乗り越え、純愛が成就するまでを描いた物語。古代ギリシアの散文作品『ダフニスとクロエ』に着想を得て書かれた作品である。1954年(昭和29年)6月10日に書き下ろしで新潮社より刊行された。ベストセラーとなり、第1回(1954年度)新潮社文学賞を受賞した。刊行後すぐに複数の映画会社が映画化をめぐり争奪戦となり、アメリカでも翻訳出版されベストセラーとなった。文庫版は翌1955年(昭和30年)12月25日に新潮文庫より刊行された。翻訳版はメレディス・ウェザビー訳(英題:The Sound of Waves)をはじめ、世界各国多数で行われている。 あらすじ 伊勢湾に浮かぶ歌島で漁師をしている久保新治は、貧しい家に母と弟と暮らす18歳の若者であった。ある日、新治は浜で見覚えのない少女を見かけ、なんとなく心惹かれる。少女は砂浜に座り、じっと西の海の空を見つめていた。少女・初江は、村の有力者で金持ちの家・宮田照吉の娘であった。初江は養女に出されていたが、照吉の跡取りの1人息子(初江の兄)が死んだため島に呼び戻されたのであった。それまで恋愛を知らない新治は、初江の名前をきくだけで頬がほてり鼓動が激しくなる自分の感情がよく分からなかった。しかし監的哨跡で偶然、鉢合わせしたり、新治が浜で落とした給料袋を初江が拾ったり、灯台長の家でも顔を合わせた2人は、お互い相手に惹かれている自分の気持に気づくようになる。雨の降る休漁日に監的哨で初江と待ち合わせの約束をした新治は、嵐の当日、先に到着し初江を待っていたが、焚き火に暖められるうちにウトウトと眠ってしまった。ふと目が覚めて気が付くと、初江が肌着を脱いで乾かしているのが見えた。裸を見られた初江は、羞恥心から新治にも裸になるように言う。裸になった新治に向かって、さらに初江は、「その火を飛び越して来い。その火を飛び越してきたら」と言った。火を飛び越した新治と初江は裸のまま抱き合うが、初江の、「今はいかん。私、あんたの嫁さんになることに決めたもの」という誓いと、新治の道徳に対する敬虔さから2人は衝動を抑えた。灯台長の娘で大学の春休みで帰省していた千代子は、ちょうど新治と初江が一緒に帰る姿を見てしまう。新治に気があった千代子は初江に嫉妬し、川本安夫に告げ口をした。有力者の息子・川本安夫は、自分が初江の入婿になるのだと吹聴していたから面目がつぶれた。安夫は夜中、水汲みに出た初江を襲おうとするが、蜂に撃退されてしまった。やがて新治と初江の噂は照吉の耳にも入り、照吉は娘と新治が会うことを禁じた。気落ちする2人にとって秘密裏に交換する手紙だけが唯一の絆だった。健気な2人に新治の親方・十吉が加勢し、仲間の龍二が郵便屋をしてくれた。年配の海女たちも初江のまだ蕾のような乳房を見て、初江が処女だと見抜き2人の悪い噂が嘘だと解する。そんな折、機帆船歌島丸の船長が、船員修業のために船に乗組まないかと新治を誘った。歌島丸は照吉の持ち船の貨物船で、安夫も同船するらしかった。照吉は安夫に、初江との婚約の条件としてこの修業を申し渡したのだという。新治の心には、不安と悲しみと、それから一縷の希望が湧いた。船が沖縄の那覇港から運天港に入ったとき台風に襲われた。船をつなぎ止めていたワイヤーが切れ、命綱を浮標につなぐしか手はなくなった。誰もが尻込みする中、新治が志願して荒海に飛び込んだ。力の限り泳いだ若者・新治の活躍で歌島丸は救われた。初江と新治の悪い噂を流した千代子の、東京からの贖罪の手紙を読んだ灯台長夫人や、義侠心にかられた海女たちが、新治と初江の仲をとりもってやろうと、照吉の家に直談判にやって来た。女たちがやきもきする中、照吉は、新治と安夫を試すために自分が船に乗り込ませたのだと言った。照吉はすでに新治を婿にすると決めたところだった。新治と初江の願いは成就し、2人は灯台で美しい夜の光を眺める。
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