カバーの背部分に破れがあります。(写真③) 50年以上前の発刊です。全体的にくすみがあります。 『火の鳥』 伊藤 整:著 新潮文庫 昭和49年 22刷改版 縦:15cm 横:10.5cm 厚さ:1cm 舞台女優である主人公は、富裕なアメリカ人の父とそのメイドであった日本人女性との間に生まれた日本人離れした容姿で、演劇界から一目置かれた存在だった。彼女は、まだ売れない時代に出会った男との子供を堕胎した過去を秘密にしながら、その後時代遅れと批評される演出家と関係を持ち、その劇団の看板女優の一人として舞台を務めていた。ある日、映画の主演をオファーされ、相手役の大学生の青年に惹かれて出演を快諾するが、それは自分を育ててくれた愛する演出家を裏切る行為であった。映画の評判は上々であったが、二度と劇団には戻れないかもしれないという事実に気持ちが沈んだ日々を送る中、ある大劇場が上演日程の穴埋めとして彼女が属する劇団に舞台を貸したいと申し出る。願ってもいない機会に急きょ劇団員が集まり、翻訳劇を上演することとなったが、準主役を務めるはずの彼女は映画で共演した青年と会ったことで、突発的に地方のホテルで過ごしたまま行方をくらまし、部隊の初日に大穴をあけてしまう。劇団の公演はさんざんな幕開けとなるが、急きょ彼女の代役を務めた女優の演技が高い評価を得たばかりか、主役のベテラン女優の演技が酷評される結果になり、彼女に主役をやらせようとする動きが現れて、所在がつかまれるや否や舞台復帰を果たすことになる。その結果、劇団の公演は大入り満員の大盛況で終え、高い評価を得た彼女は劇団に温かく迎えられ、演出家ともよりを戻す。しかし、彼女と共演した青年は、ある事件から演劇界から追われ、なりゆきで左翼系の劇団に属することになり、彼女の力を得て劇団の評価を高めたいと画策するが、次第に警察の監視下に置かれるようになって彼女との関係も疎遠になっていく。ある日、舞台練習のため劇団員が集まった地方の温泉町で、青年が属する左翼劇団の公演が行われることを偶然知った彼女は、一目青年に会いたい思いで夜中に宿を抜け出し、一人公演先に向かう。 ※複数の購入を検討いただける場合、配送料が変わる可能性がございます。お気軽にお問い合わせください。
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