期待を胸にむかえた2020年。予想だにしない事態に、蔓延したのは人の「心の汚れ」だったのかもしれません。遠くの力ある人物の失態をよろこび、さげすみ、浮かばれたかのような錯覚を感じたり。身近な人への正論を掲げた批判は、本当に自分を正しく偉い存在にしてくれたのでしょうか?自らを省みれば、その愚かさは、わたしの中にも在りました。弱くてダメな自分、困難に勇敢に立ち向かう強さ、すべてわたしの中に在る。だれかを誹謗することで自身の愚かさをひた隠しにするのではなく、己の愚かさや汚れた心の存在を知り、自身で気づくことで、愚かさは去ってゆくと知りました。『他者を観ず、他者を注意せず、他者を直さず。自己を観る、自己を注意する、自己を直す』天平時代に、聖武天皇や僧侶たちが大仏建立に至った行動は「祈り」、平安を失った人の心や行いを落ち着かせ、死への恐怖を和らげてくれました。いま祈りの力は、アートにもある。そう信じて、髙島屋での展覧会を開催いたします。
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