2021年度から導入される「収益認識に関する会計基準」って、なに!?。 2021年度から本格的に導入される「収益認識に関する会計基準」って、どんな会計基準なんだろう!?。 なにが、どの様に変わるんだろう!?。 ここでは、会計理論や適用条件等の内容は割愛し、会計処理についてのみ説明したいと思います。 また、導入される時期までに会計処理の方法が変更される可能性もありますので、あくまでも、この様な内容になるのか程度に抑えておいて下さい。 1.収益認識準(売上割戻) 従来、売上割戻は売上高からの控除、または売上割戻引当金の充当処理を行って 来ましたが、売上割戻は『変動対価』に該当しますので、変動対価を考慮して収 益を認識する事になります。 売上が一定量に達すると割戻しによる返金の可能性がある場合(当然、基本取引 等契約条項に基づく必要があります)は、取引時に売上計上しないということで す。 【仕訳例】 商品2,000円を販売し、このうち一定の取引高に達すると200円の割戻しが 発生し、200円が返金されると予想される場合。 (借方) 売掛金 2,000 (貸方) 売 上 1,800 返金債務 200 この仕訳から、従来販売費や売上割戻引当金での充当処理を行って来ましたが、こ の様な会計処理は無くなると思われます。 2.収益認識準(売上返品) 従来、返品が行われた時は、売上返品を売上高から控除、または返品調整引当金 の充当処理を行って来ましたが、売上返品も『変動対価』に該当しますので、変 動対価を考慮して収益を認識する事になります。 この取引慣行上返品が認められている業界は、医薬品業界、出版業界、音楽業界 (CD、DVD等のソフト)、化粧品業界、トイレタリー業界等です。 ※ トイレタリー業界とは トイレタリー商品として代表的なものは、身体を洗う石鹸やボディソープ、肌のコンディションを整えるハンドクリーム類、髭剃り、髪を洗うシャンプー、入浴剤などです。 肌を整えるという意味では化粧品も含まれますが、化粧品は一つの業界として確立しているため、別の業界として扱います。 【仕訳例】 商品2,000円を販売し、このうち200円の返品が予想される場合。 (借方) 売掛金 2,000 (貸方) 売 上 1,800 返金債務 200 この仕訳からすると、従来返品調整引当金での充当処理を行っていましたが、返品調整引当金を充当する様な会計処理は無くなると思われます。 3.収益認識準 (ポイント付与~カスタマーロイヤリティポイントプログラム) 今どこの店でも、『〇〇のポイントカードはお持ちですか』と、代金決済時にレ ジで言われます。 そして、レシートを見てみれば、現在のポイント数が把握出来、ポイントが溜ま れば、何時でも欲しい商品と無償で引き換えに手にする事が出来ます。 商品を販売しているお店側からすれば、お客様の要望に応えて、何時かは『ポイ ントと引き換えに商品を引き渡す義務』が発生します。 つまり、ポイントを付与した分だけ履行義務が発生します。 この履行義務が会計処理に影響が出て来ます。 【仕訳例①】 商品2,000円を販売し、商品と200ポイントを付与した場合。 (借方) 現 金 2,000 (貸方) 売 上 1,800 契約負債 200 【仕訳例②】 200ポイントと引き換えに商品を引き渡した。 (借方) 契約負債 200 (貸方) 売 上 200 ポイント付与は商品の販売と別個のものとして収益を認識する事になります。 日商簿記1級検定試験や日商簿記2級検定試験では、これらの収益の認識基準が導入されれば、さらに日商簿記検定試験は難易度が上がると思われます。 ここで紹介している会計処理は、実際に導入が予定されている2021年4月までに適正な指針が公表されると思います。 あくまでも、サンプル処理とお考えください。 当レッスンの受講をご希望される場合は、『めざせ日商簿記合格講座(1級、2級、3級)』からお申し込みください。 何卒、よろしくお願い致します。
2021年度から導入される「収益認識に関する会計... 大阪 教室・スクール情報を見ている人は、こちらの記事も見ています。