折れがあります。(写真③) 60年以上前の発刊です。全体的にくすみがあります。 『悲の器』 高橋和巳:著 河出ペーパーバックス 昭和38年 4版 縦:18cm 横:13cm 厚さ:1.8cm 第一回文藝賞当選作 本年度最高の長篇! 各紙激賞 寺田 透氏評 インテリを主人公にした小説は沢山あっても、その専門の畑での苦労をじかに扱った小説はなかった。この作品は、その欠陥を見事に克服している。 中村真一郎氏評 日本の小説の考え方は議論をいやがり、議論は小説でないという非常に低い常識がある。そういう点をぶち壊している点で、この作品はいいと思う。 野間 宏氏評 明治以来の日本が戦争に踏み込み、敗戦から戦後に至るインテリゲンチャの全体的な姿を根底的に真正面から描き尽くそうとしたすぐれた長編である。 埴谷雄高氏評 簡潔な文体と重厚なリズムに感心した。長篇を書く以上、これだけの姿勢と準備と勉強がなければ書いてはいけないことを、この作品が示している。 福田恆存氏評 これはおおげさに言うと『罪と罰』だ。常識の世界に挑戦している。しかも、かなり高い調子で貫いている。最後に刀折れ矢尽きた感じはするが…… 作者のことば 多忙のニヒリズムというのが世の中にはあります。それぞれの仕事に勤勉で誠実で、それゆえに日々忙しく、その多忙さのなかに自分を見失うことを言います。しかし私たちは一日にたとえ僅かな時間でも、定型化された日常をはなれ、自分自身と対面し、さらに全世界を相手どってさまざまな疑問を発してみる必要があります。この物語が、私たちに許された僅かな自律的時間の、各人の思弁の一つの素材として役立てば幸せです。
| 価格 | 50円 |
| ジャンル | 文芸 |
| 受け渡し場所 |
※問い合わせは会員登録とログイン必須です
左の記事に問題がある場合、該当する項目を
選択し詳細を記入してください。
※通報していただいた内容への返答は出来ません。
『悲の器』高橋和巳 河出ペーパーバックス 高知 中古あげます・譲りますを見ている人は、こちらの記事も見ています。