カバーに擦れがあります。(写真③) 40年以上前の発刊です。全体的にくすみがあります。(写真④) 『刺青・秘密』 谷崎潤一郎:著 新潮文庫 昭和53年 15刷 縦:15cm 横:10.5cm 厚さ:1cm 究極の美女に土下座し、踏みにじられたい。 谷崎が描くエロティシズムの極み。 肌をさされてもだえる人の姿にいいしれぬ愉悦を感じる刺青師清吉が、年来の宿願であった光輝ある美女の背に蜘蛛を彫りおえた時、今度は……。性的倒錯の世界を描き、美しいものに征服される喜び、美即ち強きものである作者独自の美の世界が顕わされた処女作「刺青」。作者唯一の告白書にして懺悔録である自伝小説「異端者の悲しみ」ほかに「少年」「秘密」など、初期の短編全七編を収める。用語、時代背景などについての詳細な注解を付す。 刺青 少年 幇間 秘密 異端者の悲しみ 二人の稚児 母を恋うる記 注解:細江光 解説:河盛好蔵 本書収録「刺青」より この若い刺青師の心には、人知らぬ快楽と宿願とが潜んで居た。彼が人々の肌を針で突き刺す時、真紅に血を含んで脹れ上る肉の疼きに堪えかねて、大抵の男は苦しき呻き声を発したが、その呻きごえが激しければ激しい程、彼は不思議に云い難き愉快を感じるのであった。刺青のうちでも殊に痛いと云われる朱刺、ぼかしぼり、――それを用うる事を彼は殊更喜んだ。 谷崎潤一郎(1886-1965) 東京・日本橋生れ。東大国文科中退。在学中より創作を始め、同人雑誌「新思潮」(第二次)を創刊。同誌に発表した「刺青」などの作品が高く評価され作家に。当初は西欧的なスタイルを好んだが、関東大震災を機に関西へ移り住んだこともあって、次第に純日本的なものへの指向を強め、伝統的な日本語による美しい文体を確立するに至る。1949(昭和24)年、文化勲章受章。主な作品に『痴人の愛』『春琴抄』『卍』『細雪』『陰翳礼讃』など。 ※配送をご希望の場合、配送料は180円です。 ※複数の購入を検討いただける場合、配送料が変わる可能性がございます。お気軽にお問い合わせください。
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