予定があいていたら連絡をくれ、と言われたので酒を飲んだ。 会ったところでどうせ来週また会うのだから別によいでしょう、と呆けていると来週来る予定の別の友人がマッチングアプリと予定をダブらせている。マッチングアプリと友情を秤にかけてマッチングアプリでの用事を優先したのだから大層儚い友情だ。薄情者にぷりぷりと怒りながらじゃ会いましょうと返信する。 いざ会って最近はどうですか、と尋ねると変わりはないね、と返ってくる。数度会って未だ再就職活動の身で随分と悠長なやつである。 友人探しもとくに奮わず、家に溜まり続ける酒を目の前に寂しさを募らせながら夜の電動張形を3日で破壊したらしい。救いようがない。とはいえ普通に故障のようなので、「返品できるのかどうかはしらないけど」と聞くと、「返品か迷ったけどまだ保温はできるから」「やっぱQOL上げてかないとさ」 とくる。故障をものともせず本人はしたり顔であるから、こうした人間は図太く生きていくのだろうなと得心した。しかし見習ってはいけない。 途中合流した薄情者の友人とも少しだけ飲み、終電に駆け込んでいると目の前でフロムの愛するということについて盛り上がっている。内容について深く同意しあう二人の様子から僕がとうに失くした精神の欠片を垣間見、少しだけ懐かしんだ。 駅から出て歩いていると、日付を跨いだ頃でも洗車場に人がいる。ふと春の夜風が自分を吹きつけて、胸の中まで穴を空けるような心持がした。 酔いがゆっくりと醒めた。バスを逃すのだって案外悪くない。別に言い訳とかじゃないですよ。募集画を送ってくれた本人曰く酒は32本あるらしいです。店でも開くんでしょうか。暇つぶしのメッセでも晩のお供でもカフェ巡りでも酒でも一通り自由かつお気軽にお誘いください。
※問い合わせは会員登録とログイン必須です
コメントは公開されます。
短いコメントはご覧になった他のユーザー様が不快に感じることがあります。
登録した条件で投稿があった場合、メールでお知らせします。
利用規約 をご確認の上、登録をお願いします。