腕時計の「磁気帯び」とは。方位磁石でわかる、時間が狂う小さな原因 (投稿ID : 1otsq8)

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更新2026年5月1日 17:38
作成2026年5月1日 17:10
腕時計の「磁気帯び」とは。方位磁石でわかる、時間が狂う小さな原因の画像

腕時計が急に早く進むようになった。
昨日までは問題なかったのに、気づくと数分、あるいはそれ以上進んでいる。

機械式時計でこのような症状が出たとき、原因のひとつとして疑いたいのが磁気帯びです。

磁気帯びとは、時計の内部にある金属部品が磁気の影響を受けてしまう状態のこと。
腕時計は小さなケースの中で、非常に繊細な部品が規則正しく動いています。特に機械式時計では、精度を司る部分に磁気の影響が出ると、時間が大きく進んだり、遅れたり、動きが不安定になったりすることがあります。

現代の生活は、時計にとって磁気が多い

磁気帯びは、特別な環境だけで起こるものではありません。

スマートフォン、パソコン、タブレット、スピーカー、イヤホンケース、バッグや財布のマグネット金具、冷蔵庫のマグネット、電気シェーバー、ドライヤーなど。
日常の中には、時計に影響を与える可能性のあるものが意外と多くあります。

特に注意したいのは、時計を外したあとに置く場所です。

スマートフォンのすぐ横。
ノートパソコンの上。
バッグのマグネット部分の近く。
スピーカーや充電器のそば。

こうした場所に長時間置いていると、時計が磁気の影響を受けることがあります。

磁気帯びすると、なぜ時計が早く進むのか

機械式時計の中には、時間の進み方を整えるための非常に細い部品があります。
その代表がヒゲゼンマイです。

ヒゲゼンマイは、テンプと呼ばれる部品の往復運動を整える、機械式時計の心臓部に近い存在です。

この細い渦巻き状の部品が磁気の影響を受けると、巻き同士がわずかに引き寄せられるような状態になり、動きの周期が乱れることがあります。

その結果、時計が本来よりも速いテンポで動き、時間が大きく進むことがあります。

もちろん、すべての時間のズレが磁気帯びとは限りません。
油切れ、衝撃、部品の摩耗、長期間オーバーホールをしていないことなど、原因はいくつもあります。

ただし、

「急に大きく進むようになった」
「以前より明らかに精度が悪くなった」
「スマートフォンや磁石の近くに置いたあとから調子が変わった」

という場合は、磁気帯びを疑う価値があります。

方位磁石で磁気帯びを調べる方法

磁気帯びしているかどうかは、簡易的には方位磁石で確認できます。

まず、方位磁石を平らな場所に置きます。
針が安定して北を指すまで少し待ちます。

次に、腕時計をゆっくり方位磁石に近づけます。
このとき、時計を急に近づけるのではなく、数センチずつゆっくり近づけるのがポイントです。

もし時計を近づけたときに、方位磁石の針が大きく振れるようであれば、その時計が磁気を帯びている可能性があります。

方位磁石チェックの目安

軽く針が揺れる程度であれば、ごく弱い磁気や金属部品への反応の可能性があります。

時計を近づけたときに針がはっきり動く場合は、磁気帯びしている可能性があります。

時計の向きを変えるたびに方位磁石の針が大きく振れる場合は、かなり磁気の影響を受けている可能性があります。

ただし、方位磁石での確認はあくまで簡易チェックです。

クォーツ時計でも磁気の影響を受ける

磁気帯びというと、機械式時計だけの話に思われがちですが、クォーツ時計でも磁気の影響を受けることがあります。

特にアナログ表示のクォーツ時計では、針を動かすモーター周辺が磁気の影響を受けることがあります。
症状としては、針が止まる、動きが乱れる、一時的に時刻が合わなくなる、といった形で現れることがあります。

機械式時計の場合は、磁気によって精度そのものが大きく乱れることがあります。
クォーツ時計の場合は、磁気の近くにある間だけ針の動きに影響が出ることもあります。

いずれにしても、時計の調子が急に変わった場合は、磁気の影響を一度疑ってみるとよいでしょう。

自分で脱磁してもいいのか

インターネット上では、家庭用の脱磁器も販売されています。
ただし、時計の構造や状態を確認せずに自己判断で脱磁するのは、あまりおすすめしません。

理由は、時間のズレの原因が磁気帯びとは限らないからです。

磁気帯びだと思っていても、実際には油切れ、部品の摩耗、衝撃による不具合、ゼンマイやテンプ周辺の問題ということもあります。
その場合、脱磁だけでは改善しません。

また、磁気の影響が取れたあとも精度が戻らない場合は、内部点検やオーバーホールが必要になることがあります。

大切なのは、まず原因を見極めることです。

磁気帯びを防ぐために気をつけたいこと

磁気帯びを防ぐ一番の方法は、時計を磁気の強いものに近づけすぎないことです。

腕時計を外したら、スマートフォンやパソコンのすぐ横に置かない。
バッグのマグネット金具に密着させない。
スピーカーや充電器のそばに置きっぱなしにしない。
冷蔵庫のマグネットや磁気ネックレスなどに近づけない。

特に、時計を保管する場所は意外と大切です。
毎晩なんとなく置いている場所が、実は時計にとってあまり良くない環境になっていることもあります。

時計は小さな機械ですが、日々の置き場所や扱い方で状態が変わります。
少し気をつけるだけで、余計なトラブルを避けられることがあります。

「磁気帯びかも」と思ったら、店頭で確認を

方位磁石でチェックして針が大きく振れた。
最近、時計が急に早く進むようになった。
スマートフォンやバッグのマグネットの近くに置いてから調子が悪い。
磁気帯びなのか、修理が必要なのか分からない。

そのようなときは、無理に自己判断せず、時計を店頭へお持ちください。

コントワーヌでは、機械式時計やクォーツ時計の精度不良、磁気帯び、電池交換、ベルト交換、オーバーホール、時計修理のご相談を承っています。

磁気帯びであれば、状態によっては比較的短時間で改善できる場合もあります。
一方で、内部の油切れや部品の摩耗など、別の原因が隠れている場合もあります。

大切なのは、症状を決めつけずに、まず状態を確認することです。

腕時計は、毎日使うものだからこそ、少しの違和感が大きなサインになることがあります。
「最近、少しおかしいかも」と感じたら、どうぞお気軽にコントワーヌへご相談ください。

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