40年以上前の発刊です。全体的にくすみがあります。 『光る砂漠 矢沢宰詩集』 矢沢 宰:著 周郷 博:編 童心社 昭和54年 23版 縦:21cm 横:19cm 厚さ:1.5cm 矢沢宰君は、十四歳の十月ごろから詩を書きはじめ、二年後の十六歳の十月には、その詩は二百篇にも達している。「ききょう」「早春」などの、大自然とあたかも「対話」しているような詩から始まって、少年矢沢の詩は、この十六歳から十七歳に一つの頂点に達した。と同時に、彼のいう「私の人生の出発」は、決定的なものになっていた。「本当に」や「僕から」などの詩は、驚異であり、彼の新生がそこに波打っているのを思わせる。 小学校も一年おくれでやっと卒業、その年の春、病院にかつぎこまれて、貧しさと死の影を負った病苦の中で二年数か月は寝たっきりの生活を送った矢沢君は、それから病院附設の養護中学校に通いはじめ、中学課程を特別進級で終えて、十八歳の春には自力で県立栃尾高校の受験に合格、五年にわたる病院生活に別れをつげて自宅から通学するようになる。詩は彼の「人生の出発」の夜あけのしらべであった。その後の矢沢宰君の澄んだ、調子の高い全人間的なエネルギーの流出は目をあざむくほど――奇蹟といえる。しかし、二年足らずの高校生活のあとに、病気再発でふたたび入院、それから一年後、二十一年十か月の短い生涯を閉じた。 それにしても、十五、六歳の年齢で、何がこんなに深い「なつかしさ」と啓示に富んだ詩を彼に書かせたのか。彼の五百篇にあまる詩と、十四歳の十一月三日から一日も欠かさず書きつづけた日記は、人間わざとは思えない「戦後」の「出来ごと」と思うほかない。――周郷 博 小道がみえる…… 小道がみえる 白い橋もみえる みんな 思い出の風景だ 然し私がいない 私は何処へ行ったのだ? そして私の愛は (絶筆)
『光る砂漠 矢沢宰詩集』周郷 博編 童心社 高知 中古あげます・譲りますを見ている人は、こちらの記事も見ています。