昭和61年1月30日、株式会社角川書店発行、15版(初版は、昭和52年5月30日)の、角川文庫「裂けた視覚」です。 定価は、420円でした。 著者は、高木彬光先生。 カバー見返しには... 伊藤裕子が就職した会社は、妙に胡散臭い会社だった。 外国系の一流企業の名をかたり、事業内容にも明らかに不審な点があった。 しかも、社長には精神病の病歴があり、詐欺の前科まであった。 〈大詐欺事件に発展するかもしれない?〉裕子の恋人の週刊誌記者佐々木進一の勘が不幸にも適中した。 裕子が乗用車の中で服毒死体となって発見されたのだ。 だが、服毒の際に用いたはずのコップや空瓶が車中から消失している。 警察は殺人事件として捜査を始めた。 -〈死神に憑かれた男〉佐々木進一の周囲で起こった複雑な連鎖殺人事件の端緒はこうして開かれた! 著者会心の新形式の本格ミステリー ...とあります。 高木彬光先生の作品の中では、神津恭介や墨野隴人、近松茂道といった超人的な探偵が天才的な推理の冴えを見せる物ではなく、社会派的作品に属します(安楽椅子探偵系な人物は登場しますが、一般人より勘が鋭い程度です)。 連鎖殺人事件とあるように、主人公の行く先々で、奇妙な事件と殺人が起こり、それを上司である出版局長が推理する、といった形式です。 この作品が優れている点は、短編3作の連作でありつつ、3作を通して読む事で1つの長編になる、という形式を取っている事です。 今では珍しい形式ではありませんが、当時の日本の本格推理小説では珍しい手法だったのではないでしょうか。 そういった手法で書かれたため、3作をどの順で読んでも可という作品ではなく、1話から順に読む事で活きてくる作品かと思われます。 テーマは、森村誠一等が書きそうな、社会派(しかも、実在の人物・事件を基にしているそうで)なのですが、そこは流石、高木彬光先生。 ちゃんと、推理小説になっています。 光文社文庫の新装版も買ってはいるのですが、個人的には、この頃の角川文庫の字の小ささ、行間の狭さが、趣味に合っています。 まあ、毎月、読む量が結構なので、本棚に置く際に、ページ数が無駄に多くない(厚くない)方が有り難いというのも有るのですが...まあ、慣れの問題なんですかね。 状態は、約40年前の古本と考えても、上の下程度かと思いますが、出品者の素人判断ですので、御心配な方は、御入札をお控え頂いた方が無難かも。 画像の通り、カバー表紙側右端の朱色部に日焼けによる退色が見られます。 それ以外は、傷や汚れ等は見当たらないのですが...というのも、出品者は、麻耶雄嵩先生や我孫子武丸先生の登場までは、断然、高木彬光先生の作品が日本の本格推理の最高峰と信奉していたので、角川文庫版を、全部、新品で揃えていたのですが、こちらは本棚に立てる際に一部をはみ出して置いてしまったのです。 で、後日、それに気付いて買い直したもので。 傷や汚れが無ければ良い、読めれば良い、という方に。 御質問は御遠慮なくどうぞ。 他にも、本・雑誌等も出品致しておりますので、宜しかったら御覧下さい。
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