~不登校児・生徒の学習支援に関心をお持ちの保護者様へ ~学齢期のお子様をお持ちの親御様へ ~大人の学びなおしにご興味のある皆様へ ~ペアレントトレーニング・プレイセラピー・学習支援 ~各種コンサルテーション 【12月】個別相談会の申し込み受付中 12月15日(日) 「お問い合わせ」ボタンより、お気軽にお問い合わせくださいませ。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ いつもお読みいただきありがとうございます。 子どもというのは身体的には大人より身長が低く、体格も小さい存在ですね。 ですから大人は、子どもから見上げられる存在であります。 ではわたくしたちが、人生で初めて、そして、一番長く、いつも見上げていたものは、何だと思われますか? わたくしには、授乳のときの母親の顔であっただろうと思われるのです。 けれども、わたくしたち大人はそのときの母親を見上げたときのイメージを思い出すことはほとんどないですね。 ご家族の誰かが撮った写真や動画を通して、自分が母親を見上げている、あるいは我が子が自分を見上げていると、間接的に見知ることしかできませんね。 今日は、フロイトの発達段階におきます「口唇期」を取り上げて、授乳について思うことをお伝えしていけたらと存じます。 流れといたしましては、まず、フロイトに関するわたくしなりの所感を述べまして、口唇期と授乳、そして母子関係に関しましてお伝えできたらと存じます。 それではどうぞよろしくお願いいたします。 【なぜ、フロイトが精神分析の祖と言われるのか】 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 11月25日の投稿「発達段階を知っていますか?」ではエリクソンの心理社会的発達段階を紹介するにあたり少々触れました、精神分析の祖フロイトにつきまして再度触れさせていただきたいと存じます。 フロイトがなぜ、精神分析の祖と言われたり、こころの働きを考えるときには良くも悪くも引き合いに出されるのかと申しますと、根本において、それまで原因がわからなかったり、気のせいで済まされてしまったり、タブーとされてきていたりされている問題を学問のレベルで考える枠組みを提供してくれたからであると、わたくしは思うのです。 すなわち、人間の発達を「欲動」の側面から考える枠組みを提供したことであります。 欲動とはわたくしたち人間におきまして、欲することを起点としてその欲する気持ちや感情が収束する過程のことであります。 「欲」などと申しますのは、わたくしたち生活者にとってどちらかと言えば隠したり、少ないほうが人格的にも高い資質を持つような、そのような社会通念がございますね。 「欲」という、Aさんにとっては利益があっても、Bさんにとっては損して困ることといった公平ではない側面を持つ人間の性質。 この性質を扱わないように、扱わないように、それまでの精神医学は歩んできていたのですね。 ですからフロイトの、こころの働きを考える枠組みである精神分析理論がどれほど画期的であったか、それゆえヨーロッパじゅうに広まったのだと思われるのです。 そして、フロイトの精神分析を叩き台として多くの議論がなされ、複数の派閥を生み出し対立もあったとされています。 良くも悪くも引き合いに出されるという印象が伝わりましたら幸いです。 【フロイトの発達段階~1.口唇期(こうしんき)】 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ さて、肝心のフロイトの発達段階におきます口唇期についてお伝えしてまいります。 フロイトは人の発達を、先に述べました「欲動」の観点から5つの段階に分けて示しました。 口唇期とは、その発達段階におきます、最初の発達段階のことでありまして、概ね、0か月から~1歳の乳児について示されております。 この段階の子ども、すなわち乳児は口唇で快感を得るとされています。 【誰のための発達段階か?】 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 精神分析家ならびに精神分析的支援をする皆様におきましては、おそらく、このような精神分析理論があり、そのなかの発達段階に照らし合わせて、思春期の子どもや成人におきます食欲や口にまつわる所見を、乳児期に関連づけることが少ないのだと思われます。 けれども、男性であるフロイトのこれら精神分析を海外から移入し、我が国日本の精神医学なり臨床心理学に教育指導の枠組みを設け、後進を育ててきた中心もまた男性であることを考えると、なんとも、男性まみれの、男性の視点に立った精神分析であるようにわたくしには思われるのです。 そこでは、女性が乳児の我が子に「乳を吸われる」「乳を吸われている」という現実、実態が欠いている、このように思われるのです。 かといって、男性の乳を乳児に吸わせて体験させてみろ、という非常に短絡的な話でないことは確かですね。 ここには、自分の経験から相手がいま経験していることへと思い巡らせる、知的な能力、認知処理の機能が、用いられなければならないと思われるのです。 それは、これまで子育てをしたことのない女性や男性を育てるという意味次第では、支援の対象となるのではないかとも思われるのです。 すなわち、第一子をもうけたパパとママという男女への子育て支援でもありましょう。 あるいは、男性ながら育児の学術的指導をする専門家の場合もございましょう。 あるいは、子どもを生み育てた経験のない者、老若男女すべてともいえるかもしれません。 そこには、子育てのための母親育て、教育のための教員育て、支援のための支援者育てなる、一つ高い視点に立った「育て」が求められるように思われるのです。 【わたくしたち生活者が意味づけたならば】 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 冒頭におきまして、 『ご家族の誰かが撮った写真や動画を通して、自分が母親を見上げている、あるいは我が子が自分を見上げていると、間接的に見知ることしかできませんね。』 と申し上げましたが、 一つ高い視点に立った「育て」とは、このようなものであると思われるのです。 決して、実験のごとく体験させて「自分の乳を吸わせてみろ」的な体験至上主義ではないと思われるのです。 なぜならば、わたくしたちは高次の認知機能を、脳の中にたずさえているからであります。 このように考えるとするならば、皆様は、どのようなことをお考えになりますか? わたくしはまず、お母様がスマホを見ながら授乳している姿に対しまして、ある肯定的な意味を考えたいと存じます。 授乳の最中がいかにお母様にとって手持ちぶさたであるか。 その手持ちぶさたへの理解を深めていったとき、そこには、自分の身体の一部が占有されていることに対して、何かじっとしてはいられない感覚が存在していまいか。 思えば、わたくしたち生活者は、これもまた写真や動画で好ましい授乳のありようを刷り込まれてまいりました。 まるで授乳のときに目を合わせてアイコンタクトをしなければならないような。 けれども、この時期の子どもがどのように外界を取り入れていくかを知るならば、必ずしもそうではないことが理解されますね。 授乳をしながらスマホを見ている母親の表情をわが子に見せることは、この時期の子どもの表情認知に非常に有用であるとさえ思われるのです。 むしろ重要なのは、「乳を吸っているわが子」の吸い付き方や抱かれ方を感じながらお母様がそこに存在していることであると思われるのです。 すなわち、子どもはお母様の乳を吸いながらお母様を見上げてお母様の表情なり微動なりを見ている。 やがて、自分の吸い付き方で母親が動く、動じる、目を合わせる、声をかけるといった動きを引き出すことが「ある」ことに気づく。 このようなプロセスが、授乳に限らず日常のあちらこちらで見られるのが乳児期であり、口唇期であると思われるのです。 これが、よく言われている受動性や応答のいい母親にも通じているとは、意外に考えられてこなかったことであるように思われるのです。 また、専門家の皆様におきましても、教わってこなかったことでもあるように思われます。 いかがでしたでしょうか。 ちなみに、フロイトの発達段階は当初、欲動は欲動でも性的な欲動が考えられておりました経緯がございます。 それゆえ「心理性的発達段階」と呼ばれておりますこともお伝えしておきたいと存じます。 今日も最後までお読みくださりありがとうございました。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・
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