厚生労働省は少子高齢化と人口減で人手不足が懸念されている福祉人材の確保に向け、介護福祉士や保育士などの資格を一本化する検討に入ったようです。 戦後ベビーブームの「団塊の世代」が全員75歳以上になる2025年以降を見据えた動きで、介護施設と保育施設などを一つにまとめて運営できるようにすることも考えているとのこと。 近く省内に検討チームを発足させ、利点や課題を整理するようです。 介護福祉士や保育士など専門職種で分かれている資格を統合し、1人の職員が子育てから介護サービスまで提供できるようにする仕組みは個人的には良いと思います。 この資格を持っていると、子育てから介護まで幅広い分野で働くことができ、求人も多いため、生涯仕事を続けることができるというのが厚労省の狙いみたいです。 厚労省はこの仕組みが成功すれば、雇用対策にもつながるとみているようですが、果たして吉と出るのでしょうか。 厚労省の推計によると、2025年に必要とされる介護職員の数は約248万人で、このままでは約33万人不足し、保育士も17年度末には約7万人足りなくなる計算になってしまいます。 人口減が進む2040年には、地方の過疎化が一層深刻化する見通しで、厚労省は介護施設や児童福祉施設などがバラバラに点在している現状では、人手不足で存続できない施設が続出する可能性があるとみているようです。 ただ、保育士の場合、今後の少子化で大幅に人員を増やせば将来過剰となってしまう。このため、厚労省は介護施設、保育施設、障害者施設を1カ所にまとめられるよう規制を緩和したうえで、介護福祉士や保育士など専門職種で分かれている資格を統合し、1人の職員が子育てから介護サービスまで提供できるようにする仕組みを検討するにいたったようです。 日本が参考にするのが、フィンランドが導入している医療と社会福祉サービスの共通基礎資格(ラヒホイタヤ)。 ホームヘルパーや准看護婦、保育士、リハビリ助手など計10の中学校卒業レベルの資格を一本化した資格で、福祉や介護に従事する職員を確保する必要性から生まれた。1人で複数の分野を掛け持ちできる職員を福祉の現場に配置し、柔軟に対応できるようにしているという。 ただし問題になるのは、乳幼児の世話と認知症患者も含めた高齢者のケアでは、求められる技術や知識が大きく異なる点です。 すべてを1人でこなすには高い能力が求められ、資格の一本化には、人材をどう確保し育成するかという課題をクリアしなければなりません。 さらに介護、福祉の現場からは、資格統合に対する反発もあり、同省は時間をかけて検討するそうです。 統合される資格を必要とする職種はどれも専門性が高く、統合された場合、人材確保どころか人材の質の低下をまねく恐れもあるのではないでしょうか。 資格の一本化に関しては、わたしは長い目で見たときに必要だと思っていますが、みなさんはどう思われますか?
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