2022.05.132022.05.13

ウォーターサーバーの普及率は?日本や他国との比較や今後の動向も解説

これからウォーターサーバーを契約しようとしている方は、他の家庭ではどれくらいウォーターサーバーを導入しているのか気になりますよね。

導入理由や具体的な用途まで、契約前に知っておくことで、より充実したウォーターサーバーの活用が可能になるでしょう。

この記事では、ウォーターサーバーの普及率についてはもちろん、なぜここまで注目されるようになったのかなどのアンケート調査結果についてもご紹介します。

水に対しての考え方が変わるキッカケにもなりますので、ぜひ一読してみてください。

ウォーターサーバーの利用者は近年急増中!

アメリカで発祥したウォーターサーバーは、現代の日本においても右肩上がりで普及の一途をたどっています。

水道水が飲める国は日本を含めたったの15カ国しかありません。
その中でも日本の水道水はトップクラスで安全で、子供やお年寄りでも問題なく飲める水です。

そんな安全な水道水が飲める日本ですが、なぜウォーターサーバーが普及の一途をたどっているのか。

ここからはウォーターサーバーの普及率や、ウォーターサーバーを導入した一般消費者の声を見ていきましょう。

日本のウォーターサーバー普及率(2010年~2015年)

2010年~2015年の日本においてのウォーターサーバー普及率をご紹介しましょう。

そもそもウォーターサーバーは、1980年代にアメリカからやってきました。
当時はサーバーのレンタル代やお水の値段が高価でなかなか普及しませんでした。

2008年頃までは、企業や病院などにしか設置されていませんでしたが、それ以降は値段が一般消費者でも手が出せるような価格となり、各家庭への普及も進んでいきました。

値段が安くなった事に加えて、80年代にペットボトル入のミネラルウォーターが発売され「お金を出して美味しい水を買う」という文化が生まれていたことも、普及のきっかけになっているでしょう。

普及率はどのくらい?

以下は、日本市場宅配水業界推定規模(日本宅配水&サーバー協会調べ)が1万人を対象にウォーターサーバーの普及率推移を調査した結果です。

2010年 2.8%
2011年 3.2%
2012年 2.7%
2013年 2.9%
2014年 3.6%
2015年 4.1%

普及率は2%後半~3%前半を推移していて、東日本大震災をきっかけに災害対策や水の安全性が見直されたこともあり、普及率はどんどん上がっていきました。

2015年の普及率は2010年の1.5倍を推移しており、今後もウォーターサーバーは普及の一途を辿っていくでしょう。

導入世帯数はどのくらい?

以下は、ウォーターサーバーの導入世帯数の推移概算です。

2010年 1,579,540人
2011年 1,805,188人
2012年 1,523,128人
2013年 1,635,952人
2014年 2,030,837人
2015年 2,312,898人

このデータは、普及率のデータを元に総務省の統計局から発表されたものです。

このデータは一般家庭への普及率のみ算出されているので、実際は企業や病院などの公共施設などにも普及しているため、上記以上の数字であると予想されます。

海外のウォーターサーバーの普及率

ここまでは日本のウォーターサーバーの普及率でしたが、海外ではどういった割合となっているのでしょうか。

ここでは「アメリカ」と「ヨーロッパ圏」を例にその普及率をみていきます。
ではまずはアメリカからみていきましょう。

アメリカのウォーターサーバーの普及率

アメリカで発祥したウォーターサーバーですが、普及率は日本の約10倍に当たる50%になります。
二軒に一軒は、ウォーターサーバーが常設されていると考えると、とんでもない普及率ですよね。

そもそもアメリカでは、水道水が安全とされてきませんでした。
シャワーや食器洗いには使えても、飲み水として使うのは危険だとされてきたのです。

これが、アメリカでのウォーターサーバーの普及率の高さを支えているといえます。

現在では、アメリカの水道水の水質も向上してきたので、水道水のみを利用している人もいるようです。

ただ50%の普及率にもなると、日々ウォーターサーバーが目に入ってくるため、契約する人は今後も増えていくでしょう。

ウォーターサーバー発祥の地はアメリカ

ウォーターサーバーはアメリカで発祥したことは有名ですが、なぜアメリカはウォーターサーバーを作り出したのでしょうか。

それは1910年代に、乾燥地帯の多いアメリカでは水道水が行き届いていない地帯に、「宅配水」という手段で水を運ぶしかなかったからです。

アメリカのウォーターサーバーは、一般的に「ウォーターディスペンサー」と呼ばれ、ガロンボトルで届けられます。

またサーバーは、レンタルするものではなく購入するほうが常識とされているところも、アメリカならではですね。

ヨーロッパのウォーターサーバーの普及率

ヨーロッパ圏でのウォーターサーバーの普及率は、正確には発表されていませんが、アメリカよりも普及率は低いとされています。

ヨーロッパ圏では「ポット型浄水器」を使って水道水を「ろ過」したり、スーパーマーケットで水を購入することが一般的とされています。

ヨーロッパの水道水は硬水なので、飲みやすく口当たりさっぱりな軟水が人気です。

日本から輸入された天然水も流通しているので、今後ウォーターサーバーが普及していく可能性は非常に大きいでしょう。

日本のウォーターサーバー普及率はなぜ低いのか?

ウォーターサーバー普及率はなぜ低い?

ウォーターサーバーの普及率は上がっていますが、現状では全体の5%程度です。
海外と比べて圧倒的に普及率が低いですが何故なのでしょうか。

水道水への安心感

それは第一に「水道水が安全」ということが挙げられます。

塩素(カルキ)や鉛などの不純物は入っていて、味も美味しいとまではいえませんが、飲み続けることで体に悪影響が出るレベルではなく、一生飲み続けても安全ということが厚生労働省からも発表されています。

ですからお金をかけてウォーターサーバーを契約しとうという気持ちにならない人が多いのでしょう。

浄水器が優秀

また、ホームセンターなどに売っている、数千円程度の浄水器も昨今では性能が向上し、カルキや不純物もしっかり取り除けるようになりました。

その浄水されて出てくるお水が美味しくなってきたことも普及率に関係してきているといえます。
ウォーターサーバーは水代も水道代と比べると高価です。

ウォーターサーバーは費用がかかる

一般的にウォーターサーバーでは、月あたりで水の注文ノルマが設定されており、月々最低でも3,000円は固定費として発生します。

水道代に加えて、固定費で年間33,000円の出費は大きなものですから、この水の値段が下がってくれば普及率はもっと高くなってくるでしょう。

現段階では、ウォーターサーバーはインフラではなく、嗜好品としての位置づけといえるでしょう。

それでも急増している!水やウォーターサーバーへの関心

日本の普及率は海外と比べてもまだまだ低いですが、現在ではその関心度も高まり、データとしてもそれが表れています。

ここでは、日本人のミネラル水の消費量が、どの程度増加しているのか・宅配型ウォータサーバーの利用者数や市場規模は、どの程度伸びたのかを調査しました。

ミネラル水の日本人一人当たり消費量の推移

以下は、ミネラルウォーター協会より発表されているミネラル水の日本人一人当たりの消費量推移です。

1997年 6.3
1999年 8.9
2001年 9.8
2003年 11.5
2005年 14.4
2007年 19.6
2009年 19.7
2011年 24.8
2013年 25.6
2015年 26.7

参考:日本市場宅配水業界推定規模(日本宅配水&サーバー協会調べ)

2年ごとの調査ですが、年を重ねるごとに順調に消費量が増加していますよね。

日本の経済が発展してくとともに、安全や健康への意識が強くなり普及率は上がっていったと考えられます。

宅配水の市場規模調査結果

以下は、ウォーターサーバーの顧客数と市場規模のグラフです。

顧客数 市場規模
2007年 670,000人 280億円
2008年 933,000人 383億円
2009年 1,322,000人 488億円
2010年 1,986,000人 683億円
2011年 2,490,000人 910億円
2012年 2,928,000人 1170億円
2013年 3,274,000人 1200億円
2014年 3,380,000人 1180億円
2015年 3,306,000人 1280億円
2016年 3,411,000人 1320億円

参考:日本市場宅配水業界推定規模(日本宅配水&サーバー協会調べ)

年々利用者数も市場規模も増加の一途をたどっています。

ウォーターサーバーは、家庭に導入されるとご近所付き合いで訪問してきた人がウォーターサーバーを見て利用するため、口コミはどんどん広がっていきます。

またテレビや雑誌などの広告で掲載されたことも、ウォーターサーバー利用者数の増加に拍車をかけました。

東日本大震災など、大きな災害によって水不足問題に陥ることで、ウォーターサーバーを導入する家庭も増えました。

ウォーターサーバーは水道水よりも本当に安心なのか?

水道水は、厚生労働省で生涯摂取しても問題はないと発表されています。

厚生労働省の公式HPでも確認できる「水質基準項目と基準値(51項目)」では、水道水を生涯摂取しても問題のない基準が定められています。

つまり、これをクリアした水でない限り、浄水場から送り出されることはないということです。

しかし、それでもなぜ健康志向であるの方は不安を感じるのでしょうか。

水道水やウォーターサーバーの水は、それぞれ本当に安心できるのか、その点についてここでは見てきましょう。

なぜ水道水を避けてウォータサーバーを選ぶのか

まず水道水となる水が、キレイであることに問題はありません。

これは、世界的にも日本の浄水能力は優れていると評価されていることや、「生涯飲み続けても害はない基準」がしっかりと定められていることを見れば明らかでしょう。

問題なのは、どの段階での水がキレイなのか、という点です。

このキレイとされる水は、あくまでも浄水場で浄水された直後での話であって、各家庭の水道から出る水ではありません。

では浄水場から出たあとの問題点は一体何なのか、その注目すべき点をみていきましょう。

給水管に注目

ここで注目すべきは、浄水場から各家庭に届くまでの「給水管」です。

この給水管は、地中に張り巡らされているもので、そう簡単に取り換え工事ができるものではありません。

つまり、サビやカビが給水管の中に存在していることもあり、それが水道水として紛れてしまう恐れがあるのです。

また劣化した給水管については、国も問題視しており、早急に対応を進めている状況です。
ただし、手間がかかる分、どうしても対応が追い付ていないのが現状なのです。

貯水タンクに注目

また水道水はキレイでも、マンションなどの集合住宅に設置されているタンク内の清掃が行き届いていない場合もあるため、水が必ずしもキレイとは言い切れません。

各家庭の水道から出る水は、一旦このタンクを経由するためです。

このタンク内の清掃は、建物のオーナーが管理しているため、そのオーナー次第では疎かにされている可能性があります。

またこういった清掃に関しては、なかなか公表もされていないため、直接問い合わせて聞く必要もあるでしょう。

汚れた貯水タンクでは、カビや苔などが発生している可能性もあり、小さいお子さんにその水を飲ませるには抵抗がある親御さんも少なくありません。

より安全な水を求めて避ける

このように、水が各家庭に送られてくる途中に問題が潜んでいるのです。

こうした事実を把握しているからこそ、水道水をそのまま利用せず何らかの対処をして、よりキレイな水を求めるのでしょう。

また震災時には、水道水が放射能で汚染されて飲めなくなったり、東京都内でも水道水に放射線物質が検出されたことから水道水の安全性が問われました。

これらの事実や経験から、災害用の備蓄水としても活用でき、安心感のあるウォーターサーバーに注目が集まったのです。
水道水を避けるには、それなりの理由があるということですね。

ウォーターサーバーの水が安心といわれる理由は?

ウォーターサーバーの水が安心といわれる理由は、原水の時点から業者が独自に水質検査をしており、その検査結果を公表しているところも多いことにあるでしょう。

また天然水の場合は、地下200mなどの深い所から採水しているケースもあり、地上の環境変化による影響を受けにくいという特徴もあります。

不純物を徹底ろ過してできるRO水に限っては、ほぼ純水を抽出できるため非常に安全といえるでしょう。
中には、放射性物質をも取り除けるタイプもあります。

そのため、生まれたばかりの赤ちゃんにも飲ませることができるとして、普及率は震災以来急激に上がりました。

こうした理由から、水道水よりもウォーターサーバーの水が安心と判断し、その契約数が伸びているという結果となったのでしょう。

ウォーターサーバーのメリット・デメリット

ウォーターサーバーの導入を検討している方へ、メリットとデメリットをまとめました。契約前の検討材料にしてください。

ウォーターサーバーのメリット

  • 安全で美味しいお水が飲める
  • すぐにコーヒーやお茶が飲める
  • スーパーなどで買ってくる必要がない
  • ペットボトルゴミが減少する
  • 震災などの災害にまとまった水の貯蔵が可能
  • インテリアとして部屋を彩ることができる

ウォーターサーバーのデメリット

  • お金がかかる
  • 電気代が月500円程度増える
  • サーバーを設置する場所が必要
  • 水がなくなったら入れ替える必要あり
  • 沸騰時に多少の音がする

ウォーターサーバーの導入を決めた理由調査

リサーチ会社「DIMSDRIVE」が、ウォーターサーバーサーバー利用者500人に対して導入の理由を調査しました。

上から順に回答が多かった項目となります。

回答が多かった項目

  • 味が美味しい水が飲みたかった
  • 水を買いに行くのが面倒だった
  • 水道水に不安があった
  • 知人の家でみかけて欲しいと思った
  • 広告を見て欲しいと思った
  • 天然水を飲みたかった
  • 思ったよりも費用がかからなかった
  • 会社で利用していて自宅にも欲しいと思った
  • ペットボトルのゴミを減らしたかった
  • 親や友人に勧められた
  • 部屋をオシャレにするため
  • 引越しなどで生活が変わったから
  • 災害対策
  • 結婚をきっかけに

美味しくて健康的なお水が飲みたい、買いに行くのが面倒という回答が大半を占めました。

また昨今では、ウォーターサーバーをインテリア目的で導入している家庭も増えてきています。

一昔前のサーバーは、白いサーバーで簡素なものでしたが、最近では色々なカラーやモダンなデザインのサーバーも出てきていることも踏まえ、リビングのインテリアとして導入されてきています。

ウォーターサーバーを何に使っている?

下記はリサーチ会社「DIMSDRIVE」の調査結果による「ウォーターサーバー利用用途」調査になります。

ウォーターサーバーのメリット

  • 水を飲む
  • コーヒーや紅茶を淹れる
  • 湯、白湯を飲む
  • サプリや薬を飲む
  • カップ麺やスープなどインスタント食品を作る
  • 料理に使用する
  • お米を炊く
  • 赤ちゃんのミルクを作る
  • ペットに飲ませる

水を飲む以外にも、カップ麺を作ったり、料理水として活用したり、ペットに天然水を飲ませるご家庭も増えているようです。

水道水と天然水だと料理の味が変わったり、体調も違うという声もあるので、今後も様々な用途でウォーターサーバーを導入する家庭が増えてくるでしょう。

今後どうなる?水の捉え方とウォーターサーバーの進化

日本でウォーターサーバーの普及率が増えていることに伴い、今後の水の捉え方はどう変わるのでしょうか。

またウォーターサーバーも日々進化しており、今後は「ろ過型のウォーターサーバー」が急増していくことが予想されます。

なぜそういったウォーターサーバーが注目を集めるのでしょうか。
ここではそれら疑問について答えていきます。

水道水やペットボトル水は今後どうなるのか?

ウォーターサーバーが年々普及してきていますが、今後、水道水やペットボトル水はどうなっていくのでしょうか。

水道水については、水道管や各マンションのタンク内の衛生面を今以上に向上させていかないと、水道水の利用者は減少の一途をたどることでしょう。

水道水は「お風呂」「洗濯」「トイレ」に使用、飲水は「ウォーターサーバー」と完全に分かられる時代が来るかもしれませんね。

宅配水を超える?ろ過型ウォーターサーバーが今後急増!

最近では天然水ではなく、水道水を特殊なフィルターで「ろ過」して、安全で美味しいお水を抽出する「水道直結型ウォーターサーバー」が話題を呼んでいます。

従来のウォーターサーバーは、月に最低1回天然水ボトルが自宅に配達され、自分でサーバーに設置する必要がありました。

また、飲み干してしまえば追加発注が必要なので、経済的な追加負担を避けることができませんでした。

しかし、水道直結型の場合は水道水を使うので、お水は「飲み放題」で、毎月水道代とサーバーレンタル代だけで安全で美味しいお水が飲めることが特徴です。

年1回程度のフィルター交換のみで、面倒なメンテナンスも不要とうことで最近では天然水ウォーターサーバーよりも、水道直結型ウォーターサーバーを選ぶご家庭も増えています。

天然水サーバーを契約しようと考えていた方は、水道直結型も検討してみるといいでしょう。

CHECK!

今後もウォーターサーバーの普及率は上がっていく

日本においてのウォーターサーバー普及率は5%程度とアメリカと比べると低いのが現状です。
しかしCMやYOUTUBE動画広告でも放送されるなど、各メディアでマーケティングが加速していき、今後も右肩上がりでウォーターサーバーは普及していくでしょう。
少しでも興味をお持ちであれば、まずはウォーターサーバーの下調べをしてみることから始めてみましょう!