日本の敬語論 ポライトネス理論からの再検討 滝浦真人/著 もう一つの日本思想史! 近代国家の誕生とともに日本に敬語論が芽生えた。山田孝雄らは昂揚する「国民国家日本」建設を背景に「敬意の敬語論」を構築する。十数年後、時枝誠記は「関係認識の敬語論」を展開し、身分制度・国学を引き継いだ山田を批判する。 そして、今、ポライトネス理論を柱とした新たな敬語論の地平が見えてきた・・・。 なぜこれほど多くの敬語論が存在するのか、そもそも敬語とは何か。本書で見いだそうとしたのは、このような問いへの答えである。日本敬語論の歴史を一つの思想史として包括的に捉え直し、これからの展望をしめした意欲作。 抜粋 本書の主題は、「敬語とは何か?」という問いそのものである。この問いに対する答えは時代の中で変遷してきた。一面それは、敬語自体の性格が時代によって変化してきたことの反映でもあるだろう。だがそれ以上に、敬語像の変遷は、敬語についての論が時代の要請を受けやすいものだったことの方をより強く反映しているように思われる。敬語像なしの論は構築しえないが、日本の敬語研究においては敬語論の構えが「敬語とは何か?」の答えと直接に結びつく。ならば、敬語と同時に敬語論が考察されなければならない。『日本の敬語論』というタイトルを冠した所以である。 本書はそうした観点から、敬語研究の思想史的捉え直しをおこない、現在に至る敬語論の構えを確認しながら、敬語の現在と今後がどう展望され得るかを素描しようとする試みである。 (「はじめに」より)
日本の敬語論 - ポライトネス理論からの再検討 沖縄 中古あげます・譲りますを見ている人は、こちらの記事も見ています。