updated:♠JAN13/♥DEC31/★NOV26 ●解説:♠共通テスト時の注意&2022数Ⅰ・A【2】[2](1)~(4)
★●小張木学習クラブは、なにかのお役に立てればと、2018年8月25日に開設しました。手持ちの情報・経験を無料発信しておりますので、気軽にご連絡下さい。
●対象:学習/受験/大学[院]生活/論文発表・投稿/★技術相談/★研究助成申請等で質問・疑問をお持ちの方
●International students & people from different countries are also welcomed and advised in English
●費用:無料(教材等各自でご用意を/教材相談OK)
●連絡先:メール/Tel 080-3520-7841[Line可] /ご希望の時間・場所をご連絡下さい/返信があるまでご連絡を
●場所・時間:ご相談の上、決定、ただし、しばらくは先着申込者優先、その後申込者多数優先/例えば▲小張木自治会館(角地/駐車場有/2階建/2階和室[8+10]畳/自治会により会場費免除いただいております/〒950-0942 新潟県新潟市中央区小張木3丁目9-14 江南高校裏へ徒歩5分/ https://www.mapion.co.jp/phonebook/M13007/15103/21530251008/ ▲県立図書館(火~金9:30~19:00/土・日・祝9:30~17:00) ▲鳥屋野地区公民館(月~土9:00~21:30/日・祝9:00~17:30) ▲りゅーとぴあ(新潟市民芸術文化会館6階展望ラウンジ/9~22時/第2・4月曜休) ▲ただし遠方(県立図書館から5km程度以上)では、交通費実費をお願いします
●内容:例えば【学習/受験】《基礎》数学(算数)、物理・化学(理科)、英語、国語、社会、線形代数、微分積分、ベクトル解析等;《専門》流体力学・流体工学、特に回転流体力学、層流乱流遷移、流体中の微粒子運動、地球流体力学(大気と海洋の流れ)【大学[院]生活】国立大学(工学系)の具体的な紹介:例えば、入試室・会場での様子、奨学金、授業料免除、カリキュラム、単位修得、留年・休学、GPA・GPTへの対応、修士・博士課程への進学、卒論・修論・博士論文等の作成・発表【論文発表・投稿】日本機会学会、粉体工学会;★Journal of Fluid Mechanics、Physics of Fluids;World Congress on Particle Technology、International Congress of Chemical and Process Engineering (CHISA)
【★技術相談】湿式遠心分級技術(粉体工学会上滝論文賞・機械学会支部発明賞受賞)
【★研究助成申請】科学研究費補助金・科学技術振興機構(JST)・ホソカワ粉体工学振興財団 採択経験【その他(初心者向け)】科学論文の書き方、口頭発表法(プレゼン)、インターネット・パソコンソフト(ワード、パワーポイント、一太郎等)の使い方(パソコン等をお持ち下さい)
●学習の進め方:質問時に問題と解答途中までの要点、質問内容の詳細を言って下さい。質問がない場合は、理解度を確認しますので、学習内容の要点を言って下さい。最後に1週間の学習の自己評価を(家族による評価も)行ってもらいます
●助言方針:公式とか暗記は最小限にとどめ、それからいつでもすばやく展開・導出できるように助言。答の導出過程を重視し、できるだけヒントを与えて自ら答に到達できるように助言
●ここでの解説や新潟県立高校(2019~2015)・新潟大学(2020~2013)・東京大学(2021-2022文系)の入試問題・数学解説などのword file(図つき省略無、色つき、文字化け無)あるいは一太郎 file(Wordから変換のため文字化け有)を無料配布中/希望者あるいはご質問等がおありの方はご連絡下さい
♠●共通テスト時の注意
1.受験生はもとより試験監督員も大変。分厚い監督要領を一ヶ月位前に配布され要熟読(毎年の共通も多いが)。特に、英語リスニングでの中断や地震等の非常時の手順がややこしい。当日は、試験配布以外の時間で交代で休めるが、神経を使う。受験番号の未記入は見つけても個人には言えないため、全体に対してアナウンスがあったら要チェック。受験番号等の記入のあと試験開始までに5~10分程あるので、そこでしっかり落ち着く。
2.試験環境での要望(板書が見えない、暖房が熱い、エアコンの音が気になる、日射が強い、監督員の移動・靴音が気になる等)は遠慮なく伝える。
3.試験会場内でなにか問題が起こったら(試験場の間違い、忘れ物、落とし物等)、遠慮なく係員に相談。試験終了後は気がゆるんで忘れ物をし易いので注意。
●最近の学習内容等の履歴・お勧めサイト[公開Web-site例のURL/linkや題目]
♥◆143/2023 予定 2022 共通テスト 数学I・A
♥【注意】問題文中の実線の下線や色付き等(例えば、a,b,c、(1)、図1)や二重下線の式番等(<1a>、<1b>、<省略>)、図表の下線付き図/表番[Figure/Table No.](Fig.131/Table 221)と二重下線の説明文等(三角形ABC)は 便宜上追加した説明・参考用。
♠【《文献》】
《1》 おおぞらラボ 数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、共通テスト 2022-2021(追試も)/2018-2017試行、センター試験 2020-2011(欠有、追試も)、
https://www.ozl.jp/index.html
《2》 なかけんの数学ノート、数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、共通テスト 2022-2021(追試も)/2018-2017試行、センター試験 2020-2011(欠有、追試も)、
https://math.nakaken88.com/exam-name/
《3》 望星塾 数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、共通テスト 2022-2021、センター試験 2020-2010、 https://bouseijuku.sakura.ne.jp/center-s.html
《4》 電数図書館 数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、共通テスト 2022-2021、センター試験 2020-2015、 https://www.densu.jp/center.htm
《5》 おいしい数学 数学Ⅰ・A、Ⅱ・B、共通テスト 2022-2021、センター試験 2020-2018、解説 手書き、
https://hiraocafe.com/exam/centersuugaku.html
《6》 アタリマエ 統計学 中央値と四分位数の求め方。四分位範囲・四分位偏差とは何か? https://atarimae.biz/archives/19162
《7》 数学の景色 相関係数とデータの相関を詳しく
https://mathlandscape.com/correlation/
2022 共通テスト 数学I・A【2】[2](1)~(4)【必答問題】
日本国外における日本語教育の状況を調べるために、独立行政法人国際交流基金では「海外日本語教育機関調査」を実施しており、各国における教育機関数、教員数、学習者数が調べられている。2018年度において学習者が5000人以上の国と地域(以下、国)は29か国であった。これら29か国について、2009年度と2018年度のデータが得られている。
(1) 各国において、学習者数を教員数で割ることにより、国ごとの「教員1人当たりの学習者数」を算出することができる。図1と図2は、2009年度および2018年度における「教員1人あたりの学習者数」のヒストグラムである。これら二つのヒストグラムから、9年間の変化に関して、後のことが読み取れる。なお、ヒストグラムの各階級の区間は、左側の数値を含み、右側の数値を含まない。
・<1a> 2009年度と2018年度の中央値が含まれる階級の階級値を比較すると、 <ケ>。
・<1b> 2009年度と2018年度の第1四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると、<コ>。
・<1c> 2009年度と2018年度の第3四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると、<サ>。
・<1d> 2009年度と2018年度の範囲を比較すると、<シ> 。
・<1e> 2009年度と2018年度の四分位範囲を比較すると、<ス> 。
<ケ>~<ス>の解答群(同じものを繰り返し選んでもよい。¬¬)
0:2018年度の方が小さい 1:2018年度の方が大きい 2:両者は等しい 3:これら二つのヒストグラムからだけでは両者の大小を判断できない
(2) 各国において、学習者数を教育機関数で割ることにより、「教育機関1機関当たりの学習者数」も算出した。図3は、2009年度における「教育機関1機関あたりの学習者数」の箱ひげ図である。
2009年度について、「教育機関1機関当たりの学習者数」(横軸)と「教員1人あたりの学習者数」(縦軸)の散布図は<セ>である。ここで、2009年度における「教員1人あたりの学習者数」のヒストグラムである(1)の図1を、図4として再掲しておく。
<セ>については、最も適当なものを、次の0~3のうちから一つ選べ。なお、これらの散布図には、完全に重なっている点はない。
(3) 各国における2018年度の学習者数を100としたときの2009年度の学習者数S、および、各国における2018年度の教員数を100としたときの2009年度の教員数Tを算出した。
例えば、学習者数について説明すると、ある国において、2009年度が44272人、2018年度が174521人であった場合、2009年度の学習者数Sは(44272/174521)×100より25.4と算出される。
表1はSとTについて、平均値、標準偏差および共分散を計算したものである。ただし、SとTの共分散は、Sの偏差とTの偏差の積の平均値である。
表1の数値が四捨五入していない正確な値であるとして、SとTの相関係数を求めると<ソ>.<タチ>である。
表1 平均値、標準偏差および共分散
Sの平均値 Tの平均値 Sの標準偏差 Tの標準偏差 SとTの共分散
81.8 72.9 39.3 29.9 735.3
(4) 表1と(3)で求めた相関係数を参考にすると、(3)で算出した2009年度のS(横軸)とT(縦軸)の散布図は<ツ>である。
<ツ>については、最も適当なものを、次の0~3のうちから一つ選べ。なお、これらの散布図には、完全に重なっている点はない。
2022 共通テスト 数学I・A【2】[2](1)~(4)【必答問題・解説】
【Keywords】数学I・A【2】[2](1)~(4)
○あ ○か:階級<class>/階級値<class value[vǽljuː] / class mark]> /共分散<covariance[kouvέəriəns]>/五数要約<five-number summary
[sʌ́məri]>{データのばらつきをあらわす最小値、第1/2/3四分位数、最大値 (第2四分位数=中央値)}。○さ:最小値<minimum[míniməm] [value[vǽljuː]]、minima[mínimə]{複数形}>/最大値<maximum[mǽksəməm] [value[vǽljuː]]、maxima[mǽksimə]{複数形}>/散布図<scatter[skǽtər] plot[UK plɔt] / scatter {diagram[dáiəgræ̀m]/graph[grǽf]}>/四分位数(しぶんいすう)/ヒンジ<quartile[kwɔ́ːtail]/hinge[híndʒ]>/四分位範囲IQR<inter-quartile[kwɔ́ːtail] range[réindʒ]>/四分位偏差<quartile[kwɔ́ːtail] deviation[dìːviéiʃən]>/身長<body[UK bɔ́di] length[léŋkθ] / body height[háit]>/数(すう)ベクトル<numerical[UK njuːmérikəl] vector / number vector>/ベクトルの絶対値<absolute[ǽbsəlùːt] value[vǽljuː]>/相関<correlation[UK kɔ̀riléiʃən]>/相関係数<correlation[UK kɔ̀riléiʃən] coefficient[kòuifíʃənt]>。○た:体重<body[UK bɔ́di]mass[mǽs]>/第1四分位数<first [1st] quartile[kwɔ́ːtail]>/第2四分位数<second [2nd] quartile[kwɔ́ːtail]>/第3四分位数<third [3rd] quartile[kwɔ́ːtail]>/単位<unit[júːnit]>/中央値<median[míːdiən]>/データ<data[déitə/dɑ́ːtə]>/データ範囲<data[déitə/dɑ́ːtə] range[réindʒ]>/度数<frequency>/ヒストグラム[柱状グラフ]<histogram[hístəgræ̀m]>/。○な:内積<inner product[UK prɔ́dʌkt]>/【以下省略】
【ヒント】数学I・A【2】[2](1)~(4)
H221a 数学Ⅰでの四分位数(しぶんいすう)[or ヒンジ]等の簡易的な求め方[ 《6》 https://atarimae.biz/archives/19162 ]。Fig.221参照。
Fig.221(a) データの数が9個(奇数個)の場合の中央値、
[第1/第2/第3]四分位数、四分位範囲、四分位偏差《6》
Fig.221(b) データの数が8個(偶数個)の場合の中央値、
[第1/第2/第3]四分位数、四分位範囲、四分位偏差《6》
①データを小さい順に並べる。
②真ん中のデータは中央値<median[míːdiən]>。真ん中にデータがないときは、その両隣のデータの平均値を中央値とする。以下同様。第2四分位数<second [2nd] quartile[kwɔ́ːtail]>Q2はこの中央値に等しい。
③データを、中央値より小さい下位半分のデータと中央値より大きい上位半分のデータに分ける。
④第1四分位数<first [1st] quartile[kwɔ́ːtail]>Q1は下位半分のデータ内での中央値で、第3四分位数<third [3rd] quartile[kwɔ́ːtail]>Q3は上位半分のデータ内での中央値。
⑤四分位範囲IQR<inter-quartile[kwɔ́ːtail] range>は第3四分位数から第1四分位数を引いた値、四分位偏差は四分位範囲の半分、[データ]範囲はデータの最大値と最小値の差。
H221b 五数要約は、データのばらつきをあらわす以下の五つの数:最小値、[第1/第2/第3]四分位数、最大値。なお、第2四分位数=中央値。
H222a 散布図は、横軸(x軸)、縦軸(y軸)に二組のデータ<x>={x(1)、x(2)、⋯、x(n)}、<y>={y(1)、y(2)、⋯、y(n)}を対応させて、データを点(x(k)、y(k)) (k=1、2、⋯、n)でプロットしたもの。散布図のデータからヒストグラム[柱状グラフ]や箱ひげ図が作成される。
H223a 二組のデータ<x>と<y>の相関係数<correlation[UK kɔ̀riléiʃən] coefficient[kòuifíʃənt]>C<xy>は、後述する<x>、<y>の標準偏差<standard[stǽndərd] deviation[dìːviéiʃən]>Ds<x>、Ds<y>並びに<x>と<y>の共分散<covariance[kouvέəriəns]>Vc<xy>により <H31> C<xy>=Vc<xy>/(Ds<x>Ds<y>) と定義される無次元量(単位をもたない物理量)。相関係数C<xy>は、後述のH223g、H224aで述べるように、相関関係(片方が変化すれば、他方も変化する関係)にあるデータ<x>、<y>の相関の度合い(散布図での<x>と<y>の直線的な分布の度合い)を示し、Cの値は−1≦C≦1。ここで、-1≦C<0の負の相関では片方が増えれば他方は減る傾向、C=0の無相関では明らかに非直線的な分布、0<C≦1の正の相関では片方が増えれば、他方も増える傾向が見られる。
H223b 分散<variance[vέəriəns]>V<xx>は、<x>のデータのばらつき度を表す指標で、<H32> V<xx>=(1/n)∑[k=1~n](x(k)−x¯)**2≧0 と 偏差(x(k)−x¯)の二乗平均で定義され、その単位は<x>のデータの単位の2乗。ここで、x¯は<x>の平均値:<H33> x¯=(1/n)∑[k=1~n]x(k)。<H32>で、平均をとる量が偏差のx(k)−x¯(>=<0)そのものではなく、偏差の2乗の(x(k)−x¯)**2(≧0)とするのは、V<xx>≧0とするため。なお、偏差の絶対値|x(k)−x¯|(≧0)の平均をとり、単位を<x>のデータの単位と同じにする平均偏差<mean[míːn] deviation[dìːviéiʃən]>Dm<x>もあり:
<H34> Dm<x>=(1/n)∑[k=1~n]|x(k)−x¯|≧0。
H223c 標準偏差<standard[stǽndərd] deviation[dìːviéiʃən]>Ds<XX>は、分散<variance[vέəriəns]>V<X>の正の平方根でやはりデータのばらつき度を表す指標:<H35> Ds<x>=√(V<xx>)=√{(1/n)∑[k=1~n](x(k)−x¯)**2}≧0。標準偏差の単位は、平均偏差と同じで、<x>のデータの単位と同じ。
H223d データのばらつき度を表す指標の標準偏差Ds、分散Cv、平均偏差Dmの比較:二乗平均処理が必要な分散あるいは標準偏差は、絶対値処理が必要な平均偏差よりよく使用されるが、二乗平均処理のために外れ値の影響を受けやすいことに注意。なお、ばらつき度を容易に表せる前述の四分位範囲と比較すると、やはり外れ値の影響を受けやすいが、すべてのデータの情報をきちんと盛り込める特徴がある。
H223e 共分散<covariance[kouvέəriəns]>Vc<xy>は、次式で定義され、二組のデータ<x>={x(1)、x(2)、⋯、x(n)}、<y>={y(1)、y(2)、⋯、y(n)}の相互関係を表す:<H36> Vc<xy>=(1/n)∑[k=1~n](x(k)−x¯)(y(k)−y¯)。つまりx(k)、y(k)の両方がその平均値x¯、y¯を上回っている or 下回っているすなわち <H37> [x(k)>x¯ & y(k)>y¯] or [x(k)<x¯ & y(k)<y¯] のデータが多いほど、共分散Vc<xy>は大きな正の値をとる。これに対して、一方が上回って他方が下回るデータが多いほど、Vc<xy>は絶対値の大きな負の値をとる。より簡単に言えば、Vc<xy>>0であればx(k)、y(k)の一方が増えれば他方も増える傾向(正の相関)にあり、Vc<xy><0であれば一方が増えれば他方は減る傾向(負の相関)にある。
H223f <H36>の共分散Vc<xy>は有次元量で、その単位はデータ<x>と<y>の単位の積。例えば、クラスの生徒の数学の試験の<x>[点]と物理の試験の<y>[点]の共分散Vc<xy>の単位は[点・点]、同様に生徒の身長<u>[cm]と体重(質量)の<v>[kg]の共分散Vc<uv>の単位は[cm・kg]。したがって、両者の単位が違うので、両者の相関の強さを比較できない。
H223g 相関の強さを比較できるのは、前述の<H31>の無次元量の相関係数C<xy>。前述の −1≦C<xy>≦1 の証明は以下のとおり。まず、<H31>のC<xy>は、<H36>の共分散Vc<xy>と<H35>の標準偏差Ds<x>、Ds<y>により、<H38> C<xy>=Vc<xy>/(Ds<x>Ds<y>)={(1/n)∑[k=1~n](x(k)−x¯)(y(k)
−y¯)}/[√{(1/n)∑[i=1~n](x(i)−x¯)**2}√{(1/n)∑[j=1~n](x(j)−x¯)**2}]={∑[k=1~n](x(k)−x¯)(y(k)−y¯)}/[√{∑[i=1~n](x(i)−x¯)**2}√{∑[j=1~n](x(j)−x¯)**2}]。次に、X=x(i)−x¯、Y=x(i)−x¯を数ベクトルと見なすと、<H39>C<xy>=Vc<xy>/(Ds<x>Ds<y>)=(X・Y)/(|X||Y|)。ここで、(X・Y)は数ベクトルXとYの内積、|X|と|Y|は絶対値(or ノルム)であるので、<H40> −1≦(X・Y)/(|X||Y|)≦1すなわち−1≦C<xy>≦1。<H40>はベクトル解析で周知の次式に対応。<H41> (a・b)=|a||b|cosθすなわち
(a・b)/(|a||b|)=cosθ ∴ −1≦(a・b)/|a||b|≦1。
注意として、相関係数C<xy>は、<H38>から知られるように、分母にある標準偏差Dsが零のときは定義できない。例えば、<H42> Ds<x>=√(V<xx>)=√{(1/n)∑[k=1~n](x(k)−x¯)**2}=0でx(1)=x(2)=⋯=x(n)(=x¯) のときすなわちデータ点が散布図のy軸(同様にx軸)に平行な直線上に分布するときは、相関係数を定義できない。
H224a Fig.224α(a)~(j)は、データ<x>と<y>の相関係数C<xy>(図ではr)の変化に伴う散布図(横軸x、縦軸y)の変化を示す。相関係数は以下のように散布図での<x>と<y>の直線的な分布の度合いを示す。まず、(e)のC<xy>=1の最大の正の相関では、データ点が右上がりの直線上に並ぶ(<x>が増えれば<y>も増える)。同様に、(j)のC<xy>=-1の絶対値が最大の負の相関では、データ点が右下がりの直線上に並ぶ(<x>が増えれば<y>は減る)。ここで注意すべきは、Fig.224βに示すようにデータ点が並ぶ 直線の傾きやx or y切片の値には無関係にC<xy>=1 or C<xy>=-1となること。
Fig.224α 相関係数r=C<xy>の変化に伴う散布図の変化 《7》
Fig.224β 相関係数r=C<xy>=1((a),(b),(c),(g),(h),(i))並びに
r=C<xy>=-1((d),(e),(f),(j),(k),(ℓ))の散布図の例 《7》
Fig.224γ Fig.224α(a),(f)と同じ相関係数r=C<xy>=0の散布図の例《7》
他方、Fig.224α(a)、(f)のC<xy>=0の無相関では、データ点は明らかに非直線的な分布を示す。同様に、Fig.224γもC<xy>=0の無相関の散布図の例であり非直線的な分布を示す。ここで注意すべきは、非直線的な分布には、Fig.224α(a)、(f)のようにデータ点がx-y平面で広くばらつく場合だけでなく、Fig.224γのように局所的にばらつく場合もあること。
そして、Fig.224α(b)、(c)、(d)の0<C<xy><1ではC<xy>→1に近づくにつれて、また、 Fig.224α(g)、(h)、(i)の0>C<xy>>-1ではC<xy>→-1に近づくにつれて、直線的な分布の傾向が強まる。
なお、Table 224は相関係数の値による相関の強弱の見方の一例を示す。
Table 224 相関係数C<xy>の値と相関の強弱の見方の一例 《7》
相関係数の値 相関の強弱 (Fig.224α(a)~(j)でいえば)
-1 ≦C<xy>≦−0.7 強い負の相関 ((i)、(j))
-0.7≦C<xy>≦-0.4 強弱の中間的な負の相関 ((h))
-0.4≦C<xy>≦-0.2 弱い負の相関 ((g))
-0.2≦C<xy>≦ 0.2 ほとんど無相関 ((f)、(a))
0.2≦C<xy>≦ 0.4 弱い正の相関 ((b))
0.4≦C<xy>≦ 0.7 強弱の中間的な正の相関 ((c))
0.7≦C<xy>≦ 1 強い正の相関 ((d)、(e))
【解説】数学I・A【2】[2](1)
S221a 図1と図2の考察のために、Table 221(a)、(b)のようにそれぞれ29個のデータに下位からの番号1~29及び上位からの番号[1]~[15]を設定。まずは四分位数や中央値について:データ数が29なので、中央値は下位 or 上位から15[15]番目、第1四分位数は下位14個の中央値である下から7と8番目の平均、第3四分位数は、上から[7]と[8]番目の平均。
Table 221(a) 図1の2009年度のヒストグラム[柱状グラフ]の考察
度数 階級 データの下位からの番号1~29、上位からの番号[1]~[15]
0 0~ 14
11 15~ 29 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11
6 30~ 44 12 13 14 15[15] 16[14] 17[13]
4 45~ 59 18[12] 19[11] 20[10] 21[9]
3 60~ 74 22[8] 23[7] 24[6]
2 75~ 89 25[5] 26[4]
0 90~104
1 105~119 27[3]
0 120~134
1 135~149 28[2]
0 150~164
1 165~180 29[1]
Table 221(b) 図2の2018年度のヒストグラム[柱状グラフ]の考察
度数 階級 データの下位からの番号1~29、上位からの番号[1]~[15]
1 0~ 14 1
9 15~ 29 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 30~ 44 11 12 13 14 15[15] 16[14] 17[13] 18[12] 19[11] 20[10]
21[9]
2 45~ 59 22[8] 23[7]
1 60~ 74 24[6]
2 75~ 89 25[5] 26[4]
1 90~104 27[3]
0 105~119
2 120~134 28[2] 29[1]
0 135~149
0 150~164
0 165~179
S221b ★・<1a> 2009年度と2018年度の中央値が含まれる階級の階級値を比較すると、 <ケ>=2:両者は等しい の導出★ 中央値の階級は、2009、2018年度とも30~44(30以上44以下)で同じ。よって、階級の中央の値である階級値も同じ。
S221c ★・<1b> 2009年度と2018年度の第1四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると、<コ>=2:両者は等しい の導出★ 第1四分位数の階級は、2009、2018年度とも15~29で同じ。よって、階級値も同じ。
S221d ★・<1c> 2009年度と2018年度の第3四分位数が含まれる階級の階級値を比較すると、<サ>=0:2018年度の方が小さい の導出★ 第3四分位数の階級は、2009年度では60~74、2018年度では45~ 59であるので、2018年度の方が小さい。
S221e ★・<1d> 2009年度と2018年度の範囲を比較すると、<シ>=0:2018年度の方が小さい の導出★ データの最大値と最小値の差である範囲の取り得る値は、2009年度では <14-1> (165~179)-(15~29)=(165-29)~(179-15)=136~164、2018年度では <14-2> (120~134)-(0~14)=(120-14)~(134-0)=106~134。よって、範囲は2018年度の方が小さい。
S221f ★・<1e> 2009年度と2018年度の四分位範囲を比較すると、
<ス>=3:これら二つのヒストグラムからだけでは両者の大小を判断できない の導出★ 第3四分位数と第1四分位数の差である四分位範囲の取り得る値は、2009年度では <15-1> (60~74)-(15~29)=(60-29)~(74-15)=31~59、2018年度では <15-2> (45~59)-(15~19)=(45-19)~(59-15)=26~44。したがって、2009年度の四分位範囲が2018年度よりも大きい、小さい or 両年度が等しいのすべての可能性があり、情報不足で両者の大小を判断できない。
【解説】数学I・A【2】[2](2)
S222a ★2009年度について、「教育機関1機関当たりの学習者数」(横軸)と「教員1人あたりの学習者数」(縦軸)の散布図は<セ>=②の導出★
S222b まず、図3の箱ひげ図(単位は人)から分かることは、 最小値は50、第1四分位数は約85、中央値は約145、第3四分位数は約235、最大値は約485。
S222c 次に、○0~③の四者の差異について分かり易いと思われる順に言えば、最小値の50は○0~③のすべてで一致;最大値の約485との不一致は①の約425;中央値の約145との不一致は③(上位[15]番目)の約155;第3四分位数の約235との不一致は○0(上位[7]と[8]番目の平均) の約260;第1四分位数の約85との不一致は①と③(各下位7と8番目の平均)の約105。ゆえに、図3の箱ひげ図と一致するのは、上記の○0、①、③を除く②。
【解説】数学I・A【2】[2](3)
S223a ★SとTの相関係数を求めると <ソ>.<タチ>=0.63の導出★ データSとTの相関係数C<ST>は、ヒントのH223aの<H31>に、S、Tのそれぞれ標準偏差Ds<S>=39.3、Ds<T>=29.9並びにSとTの共分散Vc<ST>=735.3を代入して、<31> C<ST>=Vc<ST>/(Ds<S>Ds<T>)=735.3/(39.3×29.9)
=0.625⋯≒0.63=<ソ>.<タチ>。なお、この相関係数0.63の値は、ヒントのTable 224の0.4≦C<xy>≦ 0.7(強弱の中間的な正の相関)の上限値に近く、やや強めの正の相関を表すと考えられる。
【解説】数学I・A【2】[2](4)
S224a ★(3)で算出した2009年度のS(横軸)とT(縦軸)の散布図は<ツ>=③の導出★
S224b まず、表1から平均値はSで81.8、Tで72.9。この結果を○0~③の散布図と照らし合わせると、○0と①ではデータ点のS、Tとも上記の平均値より大きな位置に多く存在するのがかなり明確であるので、○0と①は不適。また、表1からデータのばらつき度を表す標準偏差はSで39.3、Tで29.9であり、Sのばらつき度がTよりもかなり大きい。散布図でのばらつき度から標準偏差のばらつき度を判断するのは難しいが、少なくとも散布図でのばらつき度は○0~③ともSのほうがTよりも大きいようであるので、標準偏差がこの大小関係を逆転するようには思えない。
S224c 次に、(3)で求めた相関係数C<xy>の値0.63は、上述のようにやや強めの正の相関を表すと考えられる。他方、○0~③の散布図から相関係数を推測すると、○0と②は弱い正の相関(Table 224の0.2≦C<xy>≦0.4)、①と③は右下の外れ値がなければ強い正の相関 (Table 224の0.7≦C<xy>≦1)を表すと考えられる。ここで、下記のFig.224δは相関係数が0.5の散布図の例を示すが、○0と②の散布図もせいぜいこの0.5程度と考えられる。①と③は右下の外れ値があるためC<xy>の値は下がり、0.63の可能性は高い。なお、外れ値が一つあると相関係数が大きく変わる場合、例えば0.6→0.3の場合がある。
S224d 以上のS224b、S224cより、求める散布図は<ツ>=③。
Fig.224δ 相関係数C=0.5の散布図の例
♥2022 共通テスト 数学I・A【必答問題・解説】【1】[1](1)~(2)/[2]/[3](1)~(2) ♠【2】[1](1)~(4)
●数学 同じものを含む順列 https://examist.jp/mathematics/baainokazu/onajimono-jyunretu/
●数学 隣接する順列と隣接しない順列 https://examist.jp/mathematics/baainokazu/rinsetu-jyunretu/
◆142/2022.10.1 ●数学【高3:1名】○辞書式に並べる順列 https://examist.jp/mathematics/baainokazu/jisyo-jyunretu/ ○大学入学共通テスト2022数ⅡB追試 https://math.nakaken88.com/exam-name/%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e5%85%a5%e8%a9%a6/%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e5%85%a5%e5%ad%a6%e5%85%b1%e9%80%9a%e3%83%86%e3%82%b9%e3%83%88/ ○文字を含む2次関数の最大・最小 https://examist.jp/mathematics/quadratic-function1/nijikansuu-maxmin-kukankotei/
◆141/2022.9.24 ●数学【高3:1名】 【3辺の長さが等しい(三脚型)四面体の体積】 https://examist.jp/mathematics/trigonometric-ratio/sankyaku-simentai/
◆140/2022.8 27 ●数学 対称面をもつ四面体の体積 https://examist.jp/mathematics/trigonometric-ratio/taisyoumen-simentai/
●英語 A [助動詞+have+過去分詞]の意味
https://toyokeizai.net/articles/-/585482
P 現在と過去をつなぐ現在完了形
https://toyokeizai.net/articles/-/585450
C 現在進行形の用法についての新たな考え方 https://toyokeizai.net/articles/-/585168
T 英語の現在形が表す意味
https://toyokeizai.net/articles/-/585116
英語 A 冠詞のtheと不定冠詞のaの違いをスッキリと理解
https://toyokeizai.net/articles/-/58550
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更新2023年1月13日 08:17
作成2023年1月13日 07:01
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